神様の愛する神様

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「いやぁ~、気になりましてね。こんな時間に二人きりで、何をしていたんですか?」 「話していただけだよ」 彼の質問に私は即答する。彼は不服そうな表情をしながら私を見てくる。 私の答えが気に入らなかったのだろうか。だけど、嘘は言っていない。事実なのだから。 「僕ら神々が、彼を気に入っていないのは貴女は御存知の筈だ。風当たりだって良くない。それを知っていて尚、彼を傍に置くのですね?……酷な人だ」 悠のこう言うのには慣れている。人の奥底へ入ろうとし、他人が入ろうとして来ると、何処かへ流れていく。 ……クラゲの様な人間だ。 悠は私の頬に手を添え、愛しそうに私を見詰めてくる。 「本当に愛しい人だ……貴女は。どうしたら、貴女を手に入れる事が叶うのでしょうね?……あの男が居なくなれば、手に入るのでしょうか?」 「悠……閑に何かしたら、許さないから、絶対に」
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