神様の愛する神様

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私がそう口を開くと、私の頬に添えてある彼の手が、ピクリと動いたのが分かった。 彼は暫く私を見ていたが、次第に乾いた笑顔を私に向ける。 「分かっていますとも。閖さんが嫌がる事なんてしませんよ」 私は彼の言葉を聞いて、漸く彼に微笑みを向ける。 悠は一瞬、驚いた顔をし、徐々に複雑そうな笑顔になる。 「おい、悠。こんな時間に、こんな処で何をしているんだ?」 「っあれ?時雨じゃない!!時雨こそ、何で此処にいるの?」 私と悠の間に言葉を放って来た一人の男。 その男の髪は、月明かりの所為か、とても輝いている金色をしている。 そして髪と同じ金色をしている瞳を持った、光の属性神の生まれ変わり……椎名 時雨〈しいな しぐれ〉。愛結のお兄さんだ。 「俺は此方に少々用があったんだ」 悠の問いに淡々と答える時雨。
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