神様の愛する神様

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時雨は少し考えた素振りをすると、意を決したように真剣な眼差しで答えを口にする。 「あぁ。俺もみんなと同じだ」 「……そっか、ありがとう」 時雨は私から受け取った椿を、大切そうに手で包んでいる。私はそんな時雨から視線を外し、空を見る。 「閖、何故そんな事を聞いたんだ?」 時雨は椿の花から、私へと視線を移し尋ねた。でも私は時雨の質問には答えない。 時雨は静かに私の様子を見守る。 「ねぇ、時雨?みんなはどうして、閑を嫌っていると思う?」 「っえ?」 質問の答えでは無く、逆に質問された時雨は戸惑いを見せる。 だが、直ぐに私の質問に答えようと、考える素振りをする。 「それは、閖と必要以上に仲が良いからじゃないのか?」 「赤の他人が私と仲良くしていても気にしないのに?」
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