もしも生まれ変われるなら……

神様の愛する神様

私だって、君たちと同じ“憐れな生まれ変わり”なのだと言う事を。

「あるんだよ、私にも。彼に対して、“そう言う感情”が!!……君たちだけじゃないんだよ」

彼らと同じ、閑に対しての妬みは無い。でも、私だって同じ神だ。

最強なんて言われていたって、みんなと違う訳じゃ無い。
みんなと同じ感情だって持っている。

気を少しでも緩めてしまえば、取り返しの付かない事になってしまう。

「駄目だ。駄目だよ、呑まれちゃいけない!!“この感情”に」

私は唇を噛み締めて、私の中にある感情を圧し殺す。呑まれてしまわない様に。

でも、一人じゃ駄目なんだ……どうしても、脳裏に彼が思い浮かぶ。そして、体は正直で裸足のまま私は駆け出してしまう。彼の元へ。

そして、いつも彼は自宅の玄関の前で待っている。

私が視界に入ると、彼は何も言わずに両腕を大きく広げて、何も聞かずに私を抱き締めてくれる。

私は安心して彼の腕の中へ入る。