神様の愛する神様

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気持ちは落ち着いたけど、私はいつまでも閑から離れない。 閑はその私の行動を少しも疑わない。 「あれ?閖さん?」 「っ!!」 突然声を掛けられたものだから、私は驚いて閑から離れる。閑は声のあった方に何も言わずに顔を向けている。 私に声を掛けてきたのは、閑の弟の里久。彼は閑と私を交互に見ると、閑を睨み付ける。 「そんなに、睨むなよ!!里久」 彼の視線を感じた閑は、口角を上げながらそう言う。 里久は彼のその言動が気に入らなかったのか、私たちに近付いて来た。 「こんな時間に何をしてるの?兄さん」 「……閖の声が聞こえた気がしたから、外で待ってた。そしたら、閖が来たから落ち着くまで一緒に居た……これじゃ駄目か?」 私がいけないのに、私では無く閑が問い詰められる。 この世界の中ではこれは“当たり前”の事になっているけど、私はそんな“当たり前”に全然納得していない。
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