神様の愛する神様

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私が居なくなっても、二人はその場に残っていた。 ……重い空気を流しながら。 「兄さん、いい加減自分の立場を弁えたらどう?貴方は僕らの仲間になろうとしてもなれないんだ……“絶対”」 「何故そこまで、“永遠”を信じる?何故、囚われたまま抗おうとせずに、それを“幸福”だと思うんだ?お前は……嫌、“お前たち”は」 閑の声は里久の胸の奥を貫いた。里久は戸惑い、言葉を失う。 そして、里久の中で様々な感情が舞い上がる。 「何故?何故だって?そう言われたからさっ!!自分が産まれる前に、そう言われたんだ!!“絆は永遠”だと!!」 どうして自分がこんなにも怒鳴っているのか、分からない。 ただ、彼を見ていると色々な感情が自分を支配する。それだけは、分かっていた。 そして、神々が閑を嫌っているのも分かる。何故なら、自分にも“そう言う感情”があるからだ。 この、誰にも言えず、理解される事の無い感情。 分かり合えるのは、同じモノを持っている同じ存在だけだ。
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