神の心の共鳴

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彼は何がなんなのか全く分からないと言う顔をしながら私を見る。 「私の友だちに酷い事して、閑の悪口を言って……そんな人とは、私は組みたくないし組もうと思わないわ!!」 「っな!!アイツの何処がそんなに良いんだよっ」 私が言いたい事が全く伝わっていない彼に、私は驚愕を通り越して呆れてしまった。 彼の瞳には滴が溜まっている。 「決めんのはお前じゃないだろう?」 「っ!?」 突如私の後ろから声がし、後ろを振り向こうとしたら優しく包み込まれた。 「自分の物に、簾藤を出来たからって調子に乗るなっ!!」 「自分の物、ね?」 私はその声を聞いてハッとする。いつもより、閑の声が低いのだ。 炎の様に怒鳴るのでは無く、水の様に彼は静かに怒りを表している。 稔は愛結の元へいつの間にか行っていた。そして彼らの表情は恐怖の色に染まっている。
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