神の心の共鳴

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閑の口が悪い。私は閑の黒い部分を見て、先生よりも閑を暫く見ていた。 どうやらこのトリックに気が付くことこそが、この授業の目的らしい。 「ん?ちょっと待って?これ、結構の月日を掛けて習得するんだよね?……私たち、これからの授業暇になっちゃわない?」 「簾藤……誰がこれで終わりと言った?」 「っえ?嘘ぉ~」 「ほんとぉ~」 私は先生の言葉によって脱力してしまう。閑も大きなため息を吐いている。 「お前たちのように一日で出来たものなんて、何人もいる。しかし、彼らはこれからのモノにかなりの月日を費やしたのだよ」 どうやら先生の口ぶりからするに、私たちのように一日で出来た生徒は過去に何人もいたようだ。 ……なぁ~んだ、私と閑が一番だと思ってたのにな。なんて、私は別の事に落ち込んでいた。 「これは、“創造”する力を養う授業だ。自分だけの奥義を作ることに意味がある」 魔法とはまた少し違う、この“奥義”は確かに先生たちの思惑通り進んでいる。
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