神様と一人の男

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「うん」 愛結が伸ばして来た手を私は掴み、四人で学園に向かう事になった。 ……此処だけの話し、愛結も稔も閑の事は好いていない。閑もその事は知っている。 他の神様の生まれ変わりも閑の事を良くは思っていない人が多い。 それは閑が私と“不必要に仲が良い”から。 私のせいで閑が悪者の様になっているのに、閑は気にしている節を一切見せない。それは彼の強さであり、私に対する優しさなのだろう。 「そう言えば今日、休み明けテストがあるのよね~?赤点取ったら補習だっけ?もう、最悪ぅ~!!」 「普段から勉強をしていれば、そんなに不安になる事も無い」 「秀才にはこの気持ち、一生分かんないよぉ~!!」 愛結は嘆きにも似た声を発する。 稔は学園始まって以来の秀才で、学年では常にトップの頭脳を持っている。勿論、戦いに関しても彼はとても強い。 正に頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群のモテ要素三つを獲得しているのだ。
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