神様と一人の男

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そんな彼を周りの女子たちが放って置く訳無く、当然の様にして彼のファンクラブがある。 私と愛結は、そんな彼と一緒にいるもんだから色々と反感を買う。 ……っまぁ、いつも返り討ちにしてるけどね?っあ!!勿論、手は出してないよ?しっかりと言葉で解決してる。 「閖は、テストどう?ちゃんと出来そう?」 優しい声色で私に聞いて来る閑。私は少し考える素振りを見せてから、閑の問いに答える。 「どうかな?でも、赤点は取らないから大丈夫!!」 今まで赤点は取った事が無いので、そこだけは自信があった。閑は私の回答を聞くと、優しく微笑んで私の頭を乱暴に撫でる。 「ちょっと、閑!!閖に馴れ馴れしくしないでくれる!?」 「ん?あぁ、悪いな?」 口を尖らせながら私と閑の会話に割り込んで来たのは愛結。閑は愛結に謝ると一歩先に進んで私から離れる。 閑にとっては、これは“当たり前”の事だ。 でも、私は少し寂しく思う。家で閑と二人っきり以外は、閑と自由に話す事が出来ない。
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