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やがて、あたしん家から通りに面したところにあるあの電信柱の下、その指定場所に、ジロちゃんは車を滑り込ませ、停車した。
あーあ。
着いちゃったよ…。
この悶々とした気持ち…
どーすりゃいいの?
「着いたぞ。…どした?」
「…うん。ジロちゃん」
頭の中を渦巻いてるガキっぽい苛立ちが、次にはあたしにそれを言わせていた。
「…チューして」
こっちに身体を向けてジロちゃんが見つめてきた。
少し苦そうで、だけど確かな甘さも含んだ、艶やかな笑顔で、あたしの胸はドキッとした。
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