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さっきの『脱処女祝賀会』で、キョーレツ女バス軍団のツッコミやいじりに、あたしが最後の最後までノーコメントをつき通したのは、ひとつの重大なワケがあった。
こんにちは、と、月守医院の新受付・橋田さんに挨拶をし、待合のスツールに腰掛けたあたしは、はあッと重い溜息をついた。
「…あらら。みなとちゃん、お疲れね。今日の部活、キツかった?」
「まあ、…そんなトコです」
気遣って声掛けてくれた橋田さんに、エヘヘ、って苦笑いを返して。
終業間近だから、待合にいる患者はもう、あたし一人。
一番隅のスツールに腰掛けたまま、あたしは壁に頭をトンと凭せ掛けた。
目を閉じて。
思い出すのは、あの夜のこと。
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