桃 25歳 Ⅰ

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「ん。変わらない。桃は?」 「変わったらすごいよね。好き嫌い撲滅キャンペーンやったんだけど変わらなかったよ。」 キャンペーン止めたら、嫌いなものがもっと嫌いになった。変に直そうとか思っちゃいけないよね。 そういうと、冬馬は大笑いをした。 「桃って昔から、変なキャンペーン繰り返してるよね。てか、キャンペーンの意味が違うし。」 涙を流して笑っている。失礼だぞこの野郎。 一度くらい、はたいてやろうかと思ったのだけど、入り口が騒がしくなって、大将の大きな声が響いたのでやめてしまった。 まこさん達が着いたのだろう。 「ちぃ~す。おっ、ピー今日は男連れか?……あれ?どっかで会ったことあったけ?」 まこさんが座敷の前に立ち、冬馬を凝視する。 「ほら、昔私と一緒にライブに通ってたでしょ?今日、偶然ライブハウスで会ったから連れてきた。まこさんのファンなんだよ。」 冬馬の隣に移動しながらいう。 ライブの後の打ち上げは、とにかくメンバーとメンバーお気に入りの女の子達を連れてくるから大人数になる。 今も、まこさんがなかなか入らずに立ち止まってしまったので後ろが詰まっていた。
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