4人が本棚に入れています
本棚に追加
古めかしいこの昔話に出ている年齢不詳のこの2人にも過去と言うものが存在する
本に書かれてるのはほんの嘘を交えた一部
2人の出会いと言うものは本当に奇妙なものだった
「お休みマイ」
「おやすみなさい母様」
優しく髪を撫でる母様
あぁ、離れないでもっと側に居て
王室の仕事が忙しい母様にそんな我が儘を言える訳なく私は静かに立ち去る母様を見送った
「イヤだな…
またあの夢を見るんだ…」
寝るのが嫌でも自然に寝付いてしまうのが子供と言うもの
私は知らず知らず睡魔に誘われ夢の中へと入っていった
「なんだガキまた来たのか」
「ガキじゃないもん
マイだもん」
「人間の個体名などどうでもいい」
私が寝たくない理由それはこの赤紫の髪を持つ男に合いたくなかったから
男は随分前から私の夢に現れた
夢の合う度苛められるから嫌なのだ
「どうしてマイの夢に出て来るの?」
「好きで出て来てる訳じゃない
それに此処は貴様のちんけな夢の中などではない
もっと神聖なる場所だ」
「ちんけって…」
確かに私の夢の中だったら随分とエグい夢の中だ
何やら人と人が混ざって出来たような木らしきものが生えてたり人の部位のような植物らしきものが生えてたり、と夢見る皇室のお姫様が見るような夢になどとうてい見えなかった
最初のコメントを投稿しよう!