始まり

8/12
前へ
/332ページ
次へ
会議室に行こうとしたら、うしろから 「藍川さん!」 名前を呼ばれた。振り返ると他のクラスの男子だった。 「どうかした?」 「あのさー……今からちょっと時間ある?」 わたしは補習を理由に逃げようとしたが (でも先生とこ行きたくないしなー) そう思ったので 「ちょっとなら大丈夫だよ。」 了承した。 「な、ならちょっとついて来てくれない?」 「いいよ。」 するとその男子は校舎裏までわたしを連れて行き、 「えっと……あの……ず、ずっと好きでした!もしよかったら……付き合ってください!」 (やっぱり……) わたしは少し悩むふりをして 「ごめんなさい。 わたしあんまり付き合うとか 考えてなくて…… その……友達とかじゃダメかな?」 男子は一瞬ショックそうな顔をしたがすぐに、 「ぜ、全然いいよ!ありがとね。あ、じゃあ携帯だけ教えてよ!」 「うん!」 男子とはメアドを交換したあと別れて、わたしは重い足どりで会議室へ向かった。
/332ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加