ダンボール

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その日は6月。陽射しに温められた空気と冷えた空気がぶつかり合い、突然の雨にうんざりしながらも、俺は、近所の道を走っていた訳ですが。 「なにやってんだ俺は……」 さしていた傘を畳み、両手にびしょ濡れのダンボールを抱えて走る男子高校生。 「……どう見ても不審者だろおい」 こんな事をしながらも早くも後悔していた。 ☆ 「……どんだけベタな漫画だよこれ」 どうせ中には犬とかだろ? つか犬が入ってるダンボール抱えて走んなよ。 と、一通り自分が見た夢に突っ込んだ所で、大した意味は無いが。 そもそもダンボールに犬を入れて捨てる奴なんかいないだろ。 いたら見せてくれ。 「ともかく、着替えっかな」
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