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「おっ。そうか?」
スイくんの顔が、ぱっと明るくなる。
「助かる。じゃあ当日、頼んでいいか?」
「は、はい~!」
スイくんは、小さく手を振って、帰っていった。
ぐちゃぐちゃのノートを握りしめて一人で後悔していると、
うしろから千奈が勢いよく飛びついてきた。
「ミオ、えらーーーーい!」
「きゃあ!」
「あんたにしてはがんばったねー! も~、この子は~!」
笑顔で、髪をくしゃくしゃにされる。
「な、な、なにっ?」
ようやく解放してくれた千奈は、混乱している私の背中を、バシッと叩いた。
「わせおっちと、同窓会いっしょに行く約束してたじゃん!」
「いっしょにって…………。
あーっ!!」
そういうことになるのかな…。
勢いとはいえ、とんでもないことになった。
「どどどどうしよう、千奈!」
「どうって…。行けばいいじゃん、フツーに。手でもつないで」
「つなげないよぉぉぉー!」
理不尽な逆ギレをしていると、
おかしなことが起こった。
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