-ささやき-(1)

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「おっ。そうか?」 スイくんの顔が、ぱっと明るくなる。 「助かる。じゃあ当日、頼んでいいか?」 「は、はい~!」 スイくんは、小さく手を振って、帰っていった。 ぐちゃぐちゃのノートを握りしめて一人で後悔していると、 うしろから千奈が勢いよく飛びついてきた。 「ミオ、えらーーーーい!」 「きゃあ!」 「あんたにしてはがんばったねー! も~、この子は~!」 笑顔で、髪をくしゃくしゃにされる。 「な、な、なにっ?」 ようやく解放してくれた千奈は、混乱している私の背中を、バシッと叩いた。 「わせおっちと、同窓会いっしょに行く約束してたじゃん!」 「いっしょにって…………。 あーっ!!」 そういうことになるのかな…。 勢いとはいえ、とんでもないことになった。 「どどどどうしよう、千奈!」 「どうって…。行けばいいじゃん、フツーに。手でもつないで」 「つなげないよぉぉぉー!」 理不尽な逆ギレをしていると、 おかしなことが起こった。
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