-つながり-(3)

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それは、 ある一言が原因だった。 『柳瀬の女』 あの人は私のことを、 そう呼んだ。 それは、あの、 着物を着た契約の悪魔と 同じ呼ばれ方だったのだ。 そしてこの 『ロミオとジュリエット』……。 あの人は…… いったい……。 (頭イタ……) 混乱のせいなのか、 変な頭痛がする。 腕の『印』も チリチリ痛む。 あのときの悪魔の、 酷薄な笑みが頭をよぎり、 私は小さく頭を振った。 (あの人と… あの悪魔は… 何か関係が…………?) ぐるぐると渦巻く疑問の中、 私はボーっとしていたんだろう。 千奈が呼ぶ声を、 聞き逃していた。 「ミオ? おーい、ミオ~」 「……」 「聞こえてるか~い? 柳瀬澪さーん」 「……え!」 「うわ、びっくりした!」 突然、顔を上げてしまった。 (あれ…? なんだろう……これ……) ふいに頭をよぎった 違和感。 きっと生まれて初めてってくらい、頭がフル回転していた。   ◇  ◆  ◇  ◆  ◇
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