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少年は買い物に出ていた。
病気がちな母に代わり、食料を調達するのは日課だ。
市場の人ともすっかり仲良くなり、会話もはずむ。
「お?ボウズ。今日は何を買いに来た?」
「ボウズじゃなくてシオンです。もう17になったんですから子供扱いしないでくださいよ!」
シオンと名乗る少年はバルモアでも郊外の小さな町に住んでいる。
農業が盛んで、3人に1人は農業の道に進むほどだ。
ただシオンの家庭は母が病気で父は母に付きっきりのため、自分達の食料はバルモアの中央街にある市場で買う。
電車で軽く2時間は要するが、幼い頃から通っているので今は軽い通学路感覚で来れる。
なかでもシオンが今話している男性は古くからの付き合いで、シオンの第2の父親とも呼べる存在だ。
こわもてで背は高く、力強い話し方をする市場の兄貴のような存在だが、根は優しく、幼いシオンの良き話し相手になってくれた。
「じゃあなボウズ。親御さんによろしくな」
シオンは大きく手を振ると市場を後にした。
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