1 再会

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   突然の恐怖から解放され、体からへなへなと力が抜ける。 「い、今の……は?」 「後ろに逃げて正解だな。大丈夫だから、とりあえず出ておいで。窮屈だろ」  やたら落ち着き払った声の男はフロントから運転席に手を入れて、ドアロックを外した。美月が呆然としている間に男はドアを開け、彼女の手を引く。 「きゃ……!」  男の力が強くて、美月は彼の胸に背中からぶつかった。 「……俺が間に合ったからよかったけど、付き合うなら、迷わず体を張ってくれる男選べよな。こんなの、盾にもならねー」  さっきのショックがまだ残っているのと、本当のことすぎて美月は何も言い返せず男を見上げる。 .
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