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「これでブスリとして、おしまい。とりあえず俺のお仕事なわけですよ。話すと長いから、省略」
男は形のよい唇の端をつり上げて笑う。
「……覚えてねーかな、俺のこと」
髪をかきながらその場で少しかがんだ男は、美月と視線を合わせた。角度が変わったおかげで端正な彼の顔がはっきり見えた。
「……思い出したくなかったらごめん」
瞳と瞳がぶつかって、美月の脳裏にその記憶が甦る。
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