1 再会

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  『いやあ! 伊達(だて)先生、なんで……!』 『神庭修一(さにわしゅういち)はきみの恋人なんだろう? 理由なら、彼に訊きなさい。私は類い稀な美しさを持つきみを買い請けただけだ』 『修……が……? どうして……? いやっ、やめて……! いやあああああっ!!』 『……誰だ? どうしてこんなところに……。……!? おい、あんた、どうした、何があったんだ!?』  高校生になったばかりだった美月は、付き合っていた男にだまされ、売られた。大学に進学したら授業を取るつもりだった、尊敬する講師相手に。いやだと泣き、喉が切れるかと思うほど叫んだのに。  美月の記憶の中で、唯一受けた暴力だった。 .
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