禁断を望む者

47/47
7886人が本棚に入れています
本棚に追加
/827ページ
  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  ──闇の中。  還る場所をなくした魂が、その閉塞感にむせび泣く。  闇の底から男の手が伸びて、行き場のない魂をつかんだ。それは声なき叫びをあげ、ねじ切れるように霧散する。 「……バカが。憑く相手くらい選べ……」  指先にわずかに残る温もりを舐め取ると、男はうそぶいた。 「酒呑さま……」  その体に、千尋が後ろから絡みつく。  焼けつきそうな男の心を、そっと癒すように。 .
/827ページ

最初のコメントを投稿しよう!