その背中を見送る俺は

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アイツは昔から口数が少なかった。会話という会話もろくにしたことがなかったし、いつも無表情なのが拍車をかけ何を考えているのか分からなかった。そんなアイツは幼なじみで俺の中で一番大きな存在だった。 あの日、博士に呼ばれポケモンをもらったあの日から、アイツは変わった。いや、俺が分かっていなかっただけかも知れない。ポケモンをもらってからすぐにバトルをしたとき、見えたのだ。アイツの中に眠っていた感情がじわりと熱く燃え上がり姿を表したのが。 これだ、と思った。アイツと俺にはバトルしかないと思った。バトルをするときだけは、アイツと…レッドと確かに会話しているように感じたんだ。あの赤い目の中に俺がいたんだ。
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