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「ねぇねぇ、お母さん。どうして、お父さんに恋したの?」
8歳の娘、飛鳥が突然聞いてきた。
「うーん。なんでかなぁ。まぁ、好きだったんじゃない?」
突然の質問に対し私は誤魔化すように言った。
「じゃあ、なにがきっかけ?」
飛鳥くらいの歳になると恋愛に興味が出てくるものだろう。
しかし、私と夫との出会いを話すには、私の秘密を明かさなければならない。
しかし、いつかは話さなくてはならないことだ。
だとしたら、娘が成長した時、幼い時の記憶として曖昧になっているかもしれない。
その方が、都合が良いと思った。
そして娘に話すことを決めた。
「なになに?俺も聞きたい!」
6才になる息子の海翔(カイト)が駆け寄ってくる。
「あの時、私は呟いたんだ。」
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