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沈黙が続いた。
だが沈黙を破ったのは勇樹だった。
「ごめんな。ちょっと考え事してた。まさかな。」
「そっか。なんかごめん。」
「なんで謝んの?」
「ちょっとしゃべりすぎちゃったかなって。」
「なんだよそれ。かわいな。お前。」
田中勇樹のことばに一瞬反応してしまった。
私の心臓の音が身体中に響いた。
こんなに馴れ馴れしい奴なのにどうしてこうも反応してしまったのだろう。
田中勇樹のその優しい目は、私にとってすごくキラキラしていて思わず素敵だと思ってしまった。
「………え?」
「俺に気を使わなくてもいいよ。俺の事呼び捨てにしていいし。」
勇樹。
なにかこの響きに懐かしさを感じていた。
「うん。分かった。」
私がそう言うと勇樹は微笑を浮かべ再びサンドイッチを食べ始めた。
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