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「ゆりな様。お屋敷にご到着致しました。」
叶の声で我に返った。
いつの間にか30分も経っていたらしい。
叶が心配そうに私の顔を覗き込んでいる。
どうかしましたかという言葉を遮り聞いてみた。
「ねぇ、叶。ネックレスをあげた人ってどんな人なのかな?」
叶は一瞬思い悩んだ顔をしてから答えた。
「さぁ。見当がつきませんね。」
分かりきった返事だった。
ただ、叶にネックレスについての話をすると、いつも何か隠しているのではないかと感じるのだ。
何か言えない事情があるのかもしれない。
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