はじめての世界征服！

§0. ぷろろーぐ

4月もまだ上旬だというのに、桜の花はすっかり散ってしまい、それだけでなく今日この神奈川県は26℃の夏日である。
道の先を見ればぼんやりと蜃気楼。まるでこの先の未来を暗示しているかのようだった。………なんてどんな下手な作家が思い付く駄文であろうか。
確かに今日までに桜は散り、駅近くのビルの電工掲示板に示されている気温は26℃。遠くを見れば蜃気楼だって発生している。
だからなんだ。今日は俺が中学3年間必死こいて勉強して、ついに合格した、私立南星学園の入学式の日である。もはや暑さなんて気にならんさ。
俺は新しい制服に身を包み、期待と緊張とが混じった汗を顔に浮かべながら、駅の改札を入るのであった。

………。

もとい、暑いわ、今日。そういえば南星って冷房全教室についてんだよな。さすが私立。色んな意味で早く着いてほしいな…。