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「……俺はお前に出逢った時から気付いていて、ようやく恩が返せるって嬉しく思っていたよ。
当のお前はちっとも気付いてなかったけどな」
城野内はクックと笑って、涙を流す海斗の頭を撫でた。
「海斗……生まれ変わって再びめぐり合うのは、夫婦になる為じゃない。
恩を返して因果を払うためだ」
『君、俺の仕事を手伝ってくれないか?』
そう言って歩み寄って来た先生。
先生に出会って、僕は本当に救われたんだ。
「ええ……今なら分かります。
だけど僕は、あなたの為にこの身を喰わせて、今高橋海斗として転生したことを後悔していないし、喜ばしく思っています」
そう、そして高橋海斗として生まれ変わったのは、今この時、先生と共に仕事をする必要があったのだろう。
「……だけど、今度は僕があなたに恩を返さないと。いっぱいお世話になって」
袖で涙を拭う海斗に、城野内は楽しげに微笑んだ。
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