2.高坂邸

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. 『この塀、もしかして、高坂さんのお宅なんでしょうか?』 『多分な』 ようやく塀が途切れると、 【高坂宗一】 と縦書きで記された大きな木彫りの表札が目に入ると同時に、威圧感さえ与える大きな門が現れた。 『うわぁ、すごいですね』 朋美が感心の声を上げると、 続いて海斗も、うんうん、と頷いた。 『本当にすごい。 魑魅魍魎がウジャウジャですね』 その言葉に朋美がへっ?と間抜けな声を上げると、 城野内も、ああ、と頷いた。 『こりゃすごい。 まるで、冥界だな』 そう言って、骨が折れそうだなぁ、と漏らした二人に、 朋美は言葉を失い、ゴクリと息を呑んだのだった。 .
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