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亜希は小さく会釈し、話を続けた。
「……そして、部屋に飾ってあった日本人形の首が転がって来て、喋りだしたりするんです……」
その光景を想像した朋美が、
やっぱり、人形の首が転がって喋るなんて、怖すぎる!
と思わず目を細めた。
「そして、その人形が、『お嫁に行くなんて許さない』って言ったんですよ。
それで急に不安になって、彼の身に何か変なことが起こっていないか聞いてみたら、やっぱり同じように金縛りに遭ったり、時に誰かに背中を押されて車に轢かれそうになったこともあると伝えられまして……」
亜希は目に涙を浮かべ、身を乗り出した。
「先生、これは一体、なんなんでしょうか?」
そう言って沈痛の面持ちで詰め寄った亜希に、
城野内と海斗は顔を見合わせ、うん、と頷いた。
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