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「亜希さん!」
「大丈夫ですか?」
城野内達が駆けつけるよりも先に、
近くで様子を伺っていた家政婦らしき中年の女性が
「お嬢様!」
と血相を変えて駆け寄り、彼女の体を支えた。
「ごめんなさい、八重さん。
ちょっと貧血になっただけ。
……大丈夫よ」
亜希は額を抑えつつ、苦笑を浮かべた。
「お嬢様は最近睡眠不足なんですよ。
屋敷の案内はわたくしが致しますので、どうか休んでいてください」
『八重』というらしい家政婦は沈痛な面持ちで亜希の背を撫でた。
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