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「八重さんは、亜希さんを心から慕ってらっしゃるんですね」
そう言った城野内に、八重は小さく頷き、
「ええ、縁に恵まれず、恥ずかしながらずっと独身で……。
ですから、生まれた時より見守って来たお嬢様には特別な想いがありましてね」
と柔らかく目を細めて微笑んだ。
海斗はそんな八重の話を微笑ましく聞きながらも、
屋敷の至る所にいる『眷属神』の存在に、眉をひそめた。
……本当に、この妖(あやかし)の数と来たら、まるで現世(うつしよ)とは思えないな。
冥界とつながっているようだ。
海斗はそう思い、ゴクリと息を呑んだ。
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