2.高坂邸

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. そして海斗はそんな妖の存在に目を向けながら、 「今は悪さをしてないようですが、あいつ等が動き出すのはいつ頃ですか?」 と険しい顔でそう尋ねると、 八重は「あいつ等?」と不可解そうに目を開いた。 すると城野内が慌てて、 「あーっ、なんていうか、 今は変な現象が起こっていないようですが、いつも変な現象は何時頃に起こりますか?」 と補足した。 「……そうですね、いつも大体、夜中の2~3時です」 そう答えた八重に、 「まさに、丑三つ時ってやつだな」 と城野内はアハハと笑った。 「笑いごとじゃないですよ。 これだけの数を蹴散らすのは、骨が折れそうです」 海斗が大きく息をつくと、 「まぁ、まずはやってみるしかないだろう」 と城野内はまた笑って、海斗の背を叩いた。 そんな呑気な城野内の姿に、 海斗は、やれやれ、と肩をすぼめた。
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