18529人が本棚に入れています
本棚に追加
.
そして海斗はそんな妖の存在に目を向けながら、
「今は悪さをしてないようですが、あいつ等が動き出すのはいつ頃ですか?」
と険しい顔でそう尋ねると、
八重は「あいつ等?」と不可解そうに目を開いた。
すると城野内が慌てて、
「あーっ、なんていうか、
今は変な現象が起こっていないようですが、いつも変な現象は何時頃に起こりますか?」
と補足した。
「……そうですね、いつも大体、夜中の2~3時です」
そう答えた八重に、
「まさに、丑三つ時ってやつだな」
と城野内はアハハと笑った。
「笑いごとじゃないですよ。
これだけの数を蹴散らすのは、骨が折れそうです」
海斗が大きく息をつくと、
「まぁ、まずはやってみるしかないだろう」
と城野内はまた笑って、海斗の背を叩いた。
そんな呑気な城野内の姿に、
海斗は、やれやれ、と肩をすぼめた。
最初のコメントを投稿しよう!