2.パーティ会場へ

22/23
18430人が本棚に入れています
本棚に追加
/546ページ
. 戸惑いの中、 城野内は黒金を見ながら、小さく息をついた。 「ですが、黒金先生。 これから屋敷にといってもパーティの主役であるあなたが抜け出していいんですか?」 すると黒金は皮肉めいた笑いを浮かべた。 「構わんよ、皆わしがいなくてもパーティを十分楽しむ。 家内の具合が悪いから、後は楽しんでくれと伝えるよ」 そう言って黒金は、皆に挨拶してくる、と背を向けた。 彼の姿が離れた途端、海斗はつないでいた手を離し、不服そうにジョーを見た。 「先生~、乗りかかった船……って、 こんな船にしっかり乗らなくていいですよ」 「これも流れだ、仕方ない」 城野内は強い口調でそう言って、 ポンッと朋美の頭に手を乗せた。 「それに、トモもいてくれるしな」 その言葉に、また、わけが分からず、頭の中がグルグルすることを感じていた。 .
/546ページ

最初のコメントを投稿しよう!