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戸惑いの中、
城野内は黒金を見ながら、小さく息をついた。
「ですが、黒金先生。
これから屋敷にといってもパーティの主役であるあなたが抜け出していいんですか?」
すると黒金は皮肉めいた笑いを浮かべた。
「構わんよ、皆わしがいなくてもパーティを十分楽しむ。
家内の具合が悪いから、後は楽しんでくれと伝えるよ」
そう言って黒金は、皆に挨拶してくる、と背を向けた。
彼の姿が離れた途端、海斗はつないでいた手を離し、不服そうにジョーを見た。
「先生~、乗りかかった船……って、
こんな船にしっかり乗らなくていいですよ」
「これも流れだ、仕方ない」
城野内は強い口調でそう言って、
ポンッと朋美の頭に手を乗せた。
「それに、トモもいてくれるしな」
その言葉に、また、わけが分からず、頭の中がグルグルすることを感じていた。
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