1.奇妙な事務所

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. 「それでどんな仕事をしているの?」 少し身を乗り出してそう尋ねた幸枝に、朋美は肩をすぼめた。 「どんな……って、怪しいったらないわよ。 一応、彼は弁護士先生らしいんだけど、仕事はちっとも来ないから、仕方なく『探偵事務所』を開いているわけ。 私はそこで雑務をしているの。 雑務ったって大変よ。 経理はドンブリ勘定だし、資料はめちゃくちゃだし、最初は掃除に一苦労だったんだから」 朋美はそう声を上げ、あーやだやだ、と首を振った。 .
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