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その時、黒金が玄関の扉を開け、どうぞ、と頭を下げた。
開け放たれた扉から、その屋敷の中を見て、
朋美は言葉を失った。
ビリビリに破かれたカーテンに、
割れた窓に、花瓶。
壁から落とされた絵画に、
無残に倒されたオブジェ。
何より驚いたのは、
壁中に貼られた、おびただしい数の
怪しいお札。
朋美は目を大きく開き、口をパクパクさせた。
海斗は、あーあ、と目を細めた。
「こりゃまた壮絶な」
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