ベル村滞在記 初日

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風呂場で短い間の乙女の時間を満喫したのちに、部屋着に着替えて精霊を呼びにいきます。 別に杖で会話することも出来るのですが、話す相手を目の前にして話すのが良いに決まっていますので、直接話しにいきます。 用事は、今日の食事を私と一緒に作ってもらうこと。 七人分のご飯を作るのは思っていた以上に大変で、全て私一人でやろうとしていた時はすごく大変でした。 ですので、ご飯を作る時は毎回二人ほどの精霊に手伝ってもらっているのでして。 もちろんご飯を作るに当たって必要な物、火と水はカナタとミズナとフウカの力を借りています。 昔は精霊使いとして未熟者でしたので、力を借りる精霊が直接力を使わなければなりませんでしたが、今は一人前なので、杖を使って日常レベルなら簡単に精霊の力を一人で使うことが可能になりました。 さすがに建物の移動の時は、杖と精霊の力を併用して移動していますけどね。 ちょうどカナタとミズナの名前が先程から数えて二回ずつ出てきたので、今日は彼女らに手伝ってもらいましょう。 カナタとミズナの部屋の紐を引っ張って、部屋から出てきてもらいます。 出てきたすぐに私は要件を伝えました。 カナタは少し嫌な顔をしましたが、ミズナが何も言わないので渋々とですが手伝ってくれました。 どうやらカナタは寝ていたようで、起こされたのに不機嫌になっているよう。 それもご飯が完成するころにはすっかりなくなって、残り四人の精霊たちを率先して呼びにいくほど元気になっていました。 カナタとミズナのおかげでご飯はすぐにできて、七人の食事が始まります。 他愛もない会話をしながら食事をしていると、気がついたら一時間たっていました。 そろそろ私はお勉強のをする時間。 精霊たちに部屋に戻ってもらい、すぐに勉強に取りかかりました。 勉強といっても学校で習うことではなく、精霊のことに関する文献を、ただひたすらに読むこと。 精霊使いは、本来は精霊使いになるための学校に通ってなるものですが、私は独学なので成長が遅いため、毎日勉強をしているのです。
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