ベル村滞在記 初日

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精霊の力を借りる、いわゆる精霊術を扱う方法は二つ。 一つは私が用いている、精霊と心を通わせて力を借りる方法。 もう一つは、古の精霊の力を貰って杖に封じ込めて使う方法。 まず後者ですが、古に存在した偉大な精霊の墓から溢れる力を封じ込めて使うことを差します。 レフル以外の国では精霊そのものを封じ込めるという方法で力を得ているようですが、それは争いの中でより強力な精霊術を求めた人たちの考えたこと。 争いを知らないレフルでそんな方法を考える人がいるはずがなく、未来に力を託すことを決めた精霊たちからのみ力を借りています。 あくまでも"借りて"いるので、なんらかの理由で精霊使いではなくなったら力を返さなければなりません。 封じ込めた量までの精霊術しか一日に使えない代わりに、手軽に使えるのが良い、手軽な方法です。 私が用いている前者は、簡単に言えば精霊と仲良くなって力を使わせてもらう方法。 言葉に言えば簡単ですが、実はかなり難しいことらしいです。 なぜらしいと言うのかというと、私は物心ついた頃から精霊たちと触れあっていたので、精霊術を習得したのは十才のことだから。 文献を見る限り、この方法で精霊術を扱う人はほとんどいないとのこと。 しかしこの方法で精霊術を扱えるようになると、精霊が術者に心を許してくれている限り永遠に精霊使いでいられるという素晴らしいもの。 先程説明した前者後者両方とも、精霊使いになるための筆記試験と実技試験を合格しなければならない上に、合格しても精霊使いとして不十分と見られたら資格を剥奪されてしまうので、大変です。 私にはそんな心配は無用なので気にしません。 何より、私の方法だと複数の精霊の力を使えるようになります。 その分、たくさんの時間を要しますけどね。 まあそんなことに関する文献に読み続けること毎日二時間×六年。 精霊に関することなら私は誰にも負けない気がいたします、精霊に関することなら私は無敵。 完全なインドア派な私は、運動は苦手ですので勉強を頑張るしかないのです。
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