ベル村滞在記 初日

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毎日の日課である勉強も終わり、分厚い文献をパタンと閉じ、本日の勉強は終了。 今日は文献を三冊も読みました、私よく頑張りました。 毎日読んでいると目を酷使するようで、近頃はメガネをかけて読んでいます。 遠くの景色が若干ボヤけて見えますので、結構ヤバイかも。 いつか私はメガネっ娘になっているような気がします。 メガネを常にかけている生活になると、日常生活がどう変わるのかはわかりませんが、あまりメガネっ娘にはなりたくないですね。 さて、読み終わった文献を本棚に戻しますか。 読み終わった文献を、居間の従業員用スペースにある天井まである高さの本棚に向かう私。 いつも通り闇の精霊術、闇霊術で本棚を元の場所に戻そうとしますが、ふと思い付きました。 何となくですが、今の私なら精霊術を使わなくても文献を元に戻せるような気がします。 ギリギリまで背伸びして文献を本棚の一番上の段に戻そうと試む私。 プルプルと脚が震えているのが自分でもわかります。 「あと……もう少し……!」 もうちょっとで段に届きそう……!。 本当に今の私ならいける気が――――。 「きゃわっ!?」 先に脚に限界が訪れて、滑ってしまいました。 最悪なことに、私は転ぶ際に手を本棚の段にかけてしまったので、本棚が揺れて大量の文献がドサササササっと降ってきましたよ私は今本の下にいます誰か助けてください。 精霊たちはもう寝てしまったのか、大きな物音がたったにも関わらず誰もも来ません。 幸い杖は片手に持ったままだったので闇霊術で本を無重力化して山の中から出ることができました。 「もう、嫌です。もっと延びてほしいです……」 身体中が痛い中、私は涙声でそんなことを呟いていました。 私は自分の身長をコンプレックスだと思っています。 今年で十八才になるにも関わらず、私の身長は百五十センチ。 私の低身長コンプレックスは今に始まったことではありませんが、いくらなんでも小さすぎます。 しかも去年当たりから身長が伸びなくなってきたので、かなり絶望的な状況。
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