ベル村滞在記 初日

9/9
前へ
/49ページ
次へ
けっして幼く見えるわけではありませんが、年齢を聞くと、身長で判断されてしまいます(私はそう思います)。 挨拶した夫婦(仮)と二人娘(仮)は例外。 二、三年後には精霊たちの容姿は中学生ほどになると言いましたね? いろんな人に聞いたところ、私はどうやら中学生に見えるそうです。 つまり、二、三年後には私と精霊たちの容姿は変わらないということになります。 今は私の肩ほどの身長の精霊たちですが、二、三年後には私と同じ身長になってしまうのです、とっても嫌な事ですね。 そう考えると、ものすごく切ないです。 いつも可愛がっていた精霊たちに可愛がられる日々が訪れてしまうのでしょうか。 少なくとも今はそうではないので、そのことはもう考えないことにしましょう。 床に落ちたたくさんの文献を、闇霊術と風霊術を併用して元の場所に戻していきます。 たくさんの文献を同時に元に戻すため、風霊術で無重力化した文献を風で操って移動させているのです。 二分程で全て戻し終えると、途端に身体中に痛みが……。 あれだけたくさんの文献の山積みの中にいたのですから、下手したら重症かも知れないですね。 幸い体を激しく打っただけで、捻挫などはしていないよう。 明日には治っていることを祈りましょう。 奇跡的に無傷ですんだメガネをケースに仕舞い、カウンターに置きます。 営業しているときは、メガネをかけたりかけなかったりといちいち面倒くさいので、常にかけています。 カウンターに置いておけば、忘れることもありませんしね。 それでも外にでて営業するときは持ち歩いていまがす。 勉強の時間が終わると、寝る時間になっていました。 明日は早く起きなければなりませんので、昨日みたいに遅くまで起きていてはいけません。 それに、今日は挨拶をしたので疲れました。 精霊たちも明日は大変だとわかっているのか、早く寝ているのでしょう。 私も寝ることにします。 今ならぐっすり眠れそう。 そう思いながら私はベッドに体を預け目を閉じて、明日からまた訪れるお店としての生活が始まることを楽しみにしながら眠るのでした。
/49ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加