動き出す「恐怖」

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………え? 津田のことを期待していた俺たちは不意討ちをうけた。 楽性? なんで今楽性の話? てか行方不明って、え? 皆度肝を抜かれた感じで、ハタから見たら何かに呆気にとられているようだった。 「皆、何か知ってることはないか? 津田が行方不明になって、次は楽性なんて、明らかにおかしい。何か聞いてないか? 二人で家出する…とかいってなかったか? アイツらは仲良かっただろう。多分あると思うんだが…」 仁晴が随分と喋った。 多分、いや、間違いなく彼も混乱してる。 おそらく今止めどなく話した文章は、彼の脳の中にある考え全てだろう。 それを解き放って口からだした感じがした。 誰も二人のそんな話は聞いていない。 皆は只だまってその場を流す。 「ない…か。 うぅん、共通したこととかないか?アイツら二人の中に。」 共通してること って、ヤンキーで、中学一緒らしくて、 佐々木をよくいじめ… !? 佐々木。あの二人は佐々木の時計を破壊した。 それからまもなく、津田が行方不明になったんだ。 俺は共通点を見つけた。 が…仁晴に言うわけにはいかない共通点だ。 おそらく、この教室の中に気付いたヤツは何人かいるだろう。 でも、誰も言えず、さっきと同じように流す。 「ホントになにも知らないな? じゃあ一体なんなんだ…。」 仁晴はそうポツリと言い、ホームルームを終えた。
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