壱
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普通なら幽霊を目撃すれば、悲鳴の一つも上げるものだろう。 しかし、翔は、軽く舌打ちするだけだった。彼にとっては、日常茶飯事だからだ。 初めて彼が、<視える>ことに気がついたのは、いつのことだっただろう。 記憶を辿っていく。 そう、確か、今日のように暑い夏の日だった。それは六年前、翔がまだ九歳だった頃。
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