7人が本棚に入れています
本棚に追加
有人は自分をまた責めて、病室を出ていった。
二人は、動けなかった。
千恵美は有人の方に行ったらいいのか、未来の為に残っていった方がいいのか分からず、その場から動けない。
未来は、自分がまた有人を傷つけてしまったと自分を責め、追いかける勇気が出てこない。
病室は、音一つたたない空気になっていた。
…未来が口を開くには、ここから少し先になる。
~☆~
有人は、全力で走っていた。
嫌われるのが怖い、何か言われるのが怖い、恐怖心に心を飲み込まれてしまうことが何よりも怖かった。
こんなの自分じゃない。
こんな自分を未来や千恵ちゃんに見せられない。
有人は、自分の弱い心を切り捨てたかった。
…でも。
最初のコメントを投稿しよう!