第二章 常々と。

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そして、今日わかった事。 「先輩、背小さいですよね。」 「……俺、寝る子は育つって言うの、嘘だと思う。」 「それ、体験談ですか。」 「うん。」 先輩は、背が小さい。 本人はさして気にしていないみたいだが。 「てかさ。中々失礼だよね。会って早々、人のこと小さいとか。」 「それもそうですね。すいませんでした。つい、本音が。」 今度から、ちゃんと相手の気持ちを考えて発言しなくちゃ。 「……しずくに謝る気がないのは分かった。」 何故ばれた。 すごいな、先輩。 「それより、しずく。」 「なんですか?」 「早く部室入ってくれない?しずくが扉を塞いでいて入れないから。」 …………あ。本当だ。 何も言わずに扉を開けて、部室に入った。 何食わぬ顔で、読みかけの本を手に取り、ソファーに座る。 このソファーは、廃品回収で運ばれてきたのを2人で修復したものだ。座り心地が良くて嬉しい。椅子は硬いから、お尻が痛くなるし。
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