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さっきの孝一郎とは違い、ステップを踏んだ孝一郎には隙が無くなっていた。
二人は警戒しながら、円を描くように動き様子を伺っている。
最初に動き出したのは、ポテトだった。左右の拳による連続攻撃を仕掛けるが、孝一郎はステップと華麗な身のこなしで全て避ける。
そして、ポテトが、若干大振りの右ストレートを出した瞬間、孝一郎は右にかわし、左でボディーブローを食らわした。
ポテト「ごはぁ!」
「オララァ!」
怯んだところに、右、右、左、右とテンポ良く拳を叩きつけ、ポテトを吹き飛ばした。
ポテト「がはぁ!」
「これで!!」
孝一郎はきりもみ回転蹴りを放った。
ポテト「調子にのるな!!」
ポテトは、孝一郎が技をだしきる前に背中を蹴りつけた。
「ぐあっ!」
背中を強打したが、すぐに受け身をとって再び激しい攻防が繰り広げられた。
実況「凄い凄い凄ーい!!!息のつく間もない激しい攻防に会場もヒートアップしております!!実況の私も燃えてきましたぁ!!」
会場は大いに盛り上がり、ポテトコールと孝一郎コールが飛び交っている。
生徒「ポテト!孝一郎なんかぶっとばせー!!」
貴族「孝一郎!お前の勝利こそこの戦いの最後にふさわしいのだ!」
等々、様々な声援で溢れかえっている。
「(そろそろいいかな?少し打ち合ってフィニッシュにするか。)」
ポテト「うおおおぉぉ!!絶対に勝つんだ!!」
ポテトはかなりヒートアップしていて、見境がなくなっていた。
ポテト「うおおおぉぉ!!」
ラッシュラッシュラッシュの嵐!孝一郎は捌いたり、わざと食らったりして会場を盛り上げていた。
「(よし。そろそろ俺の台詞を入れて、フィニッシュにいくぞ!)なかなかやるじゃn「うおおおぉぉ!!」ちょっ!」
しかしポテトはガツガツ攻めてきて、孝一郎が台詞を言う暇もなかった。
「ちょっと待てって!ここで俺の台詞を「うおおおぉぉ!!」」
観客「ポテトそのまま押し込めぇ!!」
「いいからちょっと待て!一旦はn「うおおおぉぉ!!」」
ポテトを落ち着かせようとするも、全然聞こえてないようで、ひたすらラッシュをくりだしてきた。
そしてその一撃が、偶然にも孝一郎の顔面を捉えた。
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