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そう言い終わると、日真理の笑顔が消え、急に悲しそうな表情になる。
「バカみたいでしょ。おまけの人生なのに、くだらないことばかりしてはしゃいでる」
祐輔は、日真理の気持ちを理解しようとする。しかし、その不安や悩みを実感できなかった。
「ごめん。わからない。でも今の日真理のままで俺はいいと思う」
「ありがとう。本気で私のこと考えてくれてるんだ」
日真理はそう言うとゆっくり腰を上げる。
「せっかく来たんだから、お参りしていこう」
日真理は顔を上向けると再び笑顔を作った。
「そうだな」
二人は社の前で掌を合わせる。お互いの願いが重なったかどうかは、きっと誰にもわからないだろう。
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