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白地に紺のたてかん柄の浴衣。さっそく祐輔は部屋の隅で着替え始める。
「ゴーヤ。こっち見るなよ」と祐輔が言うと、日真理は、「見ないよぉ」っと答えた。
浴衣は、程よく糊が効いていて爽やかな着心地。祐輔が帯を結び終え、振り返ると、反対側の部屋の隅に、下着姿の日真理が背中を向けて立っていた。
肩から背中にかけての緩やかな曲線。白く美しい肌。ストレートで濃い茶色の髪。一瞬、祐輔は見とれるが、日真理が振り向いたのであわてて壁の方を向いた。すると日真理が、背中越しに声をかけてきた。
「牛乳うどん~。見たでしょ」
「え?」
「だから私の下着姿見たでしょって聞いてるの」
「う、うん」
「そんなことで、ドギマギするんだ。うぶだね」
日真理にそう言われ、祐輔の身体中にいい知れない欲望と郷愁が湧き上がる。
「……あんまり綺麗だったからつい」
祐輔は壁に向かったまま答える。
「遠慮しなくていいよ。どうせ二人きりなんだしさ」
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