004

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   ◇◇◇ 「よ。ゴーヤバーガー」 「よ。牛乳うどん」  草原から、コオロギとスズムシの鳴き声が聞こえる。日真理は煉瓦から背中を浮かせると、ゆっくり祐輔に歩み寄った。 「俺さ。日真理にいっぱい質問があるんだけど」  星々の間を月の光を受けた積雲が流れていく。 「何?」 「日真理ってさ、わかんないことだらけ。訳わかんないと付き合う気なくなるし」  祐輔の言葉を聞いて日真理の表情がくもる。 「何バカなこと言ってるの」 「俺はバカなことなんか言ってないぞ。どうしてお前、突然消えちゃうんだよ。どうして流来たちに顔見せないんだよ。本当にあと一月で……死んじゃうのか」  日真理は、視線を下に向けるると、「どうしても言わないとだめ?」と言い、上目遣いで祐輔を見た。 「ああ、だめだ。言わなきゃもう日真理の彼氏やめるからな」  力なく口をすぼめる日真理。いつもの威勢のよさが掻き消え、ゴマ粒みたいに小さくなった。  ところが、そんな日真理の憂いは一瞬で消え失せる。そしていつも悪戯っぽい光が戻った。祐輔はあっという間に肩に乗せた手を振り払われ、髪の毛を掴まれる。 .
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