犬も歩けば恋に当たる

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相変わらず外はとても寒くてこたえる 「はぁ!?自分だけのお姫様探しをするだぁ!?」 外にいるのにもかかわらず、俺は面食らって思わず声大きく反応してしまった。 あの後すぐに犬が『とりあえず外でも歩きながら話すよ』と言ってきたので、 とりあえず今俺達は駅の方へと向かって歩いている。 すると、犬はまるで仏が何かを諭すような口調で更に言ってきた 「そうだ……俺の心を癒してくれる俺だけの姫様、いや、ムラムラさせてくれるプリンセスの存在が今の俺には必要なのだよ。わかるだろ?オーズ」 「英二違いだろソレ」 「あぁちなみに姫って言っても、赤帽子のMな髭オジサンとツノガメの間をいったりきたりしてるような姫じゃなくて、 俺が求めてるのは純粋なるマーメイドプリンセスだからな?」 もはや何を言ってるのかサッパリなんだけど。 てか桃姫はそんなふしだらみたいな人じゃねぇだろ! すると犬は急に立ち止まり、そっと目を閉じた 「あれは昨日の夜の事だった……」 いや、何勝手に1人で回想モードに突入してんだよ。 あれか?結局俺は今日お前に1日振り回されるというベタ展開モードに突入すんのか? 「俺は自分の部屋で1人でボード版の人生ゲームをやっていた時の事だ……」 「いやなんで人生を楽しむゲームを1人でやってんだよ。 それだけですでに寂しい人生になっちゃってるだろうが」 「それなんだ!」 犬はバッと俺に体を向けて正解ッ!と言わんばりの勢いで俺を指差した 「その後俺は順調に進み、大金持ちで妻アリ子供3人アリと人生の成功者として華々しくゴールした……。 だがその瞬間、俺は思ったんだ!」 「……何を?」 「……俺、1人で何やってるんだろうと……」 いや気づくのおせーよ!!
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